2008年バレエ鑑賞記

美女と野獣

2008年1月8日(火)18:30開演
   東京文化会館
英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団 2008年日本公演
「美女と野獣」 全2幕

 音楽:グレン・ビュアー
 振付:デヴィッド・ビントリー

    ベル    :佐久間奈緒
    野獣    :イアン・マッケイ
    ベルの父親:デヴィット・モース
    ベルの姉 フィエール:ヴィクトリア・マール
          ヴァニテ  :シルヴィア・ヒメネス
    ムッシュー・コション :ドミニク・アントヌッチ
    ワイルド・ガール   :アンブラ・ヴァッロ
    雌狐          :平田桃子
    カラス         :山本康介
    木こり         :ジョナサン・ペイン
    差し押さえ執行官  :ジェームズ・グランディ
    収税吏         :ジョナサン・ペイン
    祖母          :マリオン・テイト 

    

今年最初、1本目の舞台は「美女と野獣」。
今回は舞台を観る前に既に観に行った人の感想ブログを読んでみた。
普段は観る前に感想を読んだりしないのだが、何しろ未知の作品だからね。
時間の関係で1つしか読めなかったがなかなか好評価だった。これは楽しみと思っていたら、「眠いかなぁ」という話を聞いた。眠いってつまらないって事? ディズニーの美女と野獣のイメージがあるせいか、会場には意外に小さな子供の姿も目立った。
私の頭の中もディズニーの美女と野獣のイメージがあるので、始まる前に時間もあったのでプログラムでストーリーチェックをしてみた。大まかなストーリーは大差ないみたいだ。

舞台は王子が野獣に変身する部分から始まった。
これはディズニーにはなかった。開幕早々圧倒されたのは舞台セットの豪華さだ。
これはすごい!隅の方まで手を抜かず丁寧に造りこんである。
場面転換もスムーズに運ぶように考え込まれている。照明も森や野獣のお城の神秘さっていうのか不気味さっていうのかそういう感じを表すためか光を押さえている。
ここで疑問。王子に魔法を掛けるのは木こりなんだけど何で魔法使いじゃなくて木こりなんだろう?
この木こり役のジョナサン・ペインが非常に存在感があり、キャリアを積んだキャラクテールかと思ったら後でプログラムを見て、若くてびっくりした。全員のマイムも丁寧だし、みんな表現力が巧みで上質な芝居を観ているみたいだ。豪華なのはセットだけではなく、衣裳の色合いも非常にシックで上品でフランスでもロシアでもなく、いかにも英国らしいっていう色合い。
主役のベルは当初のキャストだったエリシャ・ウィリスが怪我で降板、代役はプリンシバルの日本人だった。
外国のバレエ団なので外国人で観たかったかな。日本人かぁと思ったがさすがにプリンシバル。立った脚先の隅々までアンディオールがいき届いていて何とも美しい。
私の中のこれぞバレリーナ!というイメージ通りの脚先だ。

1幕はベルが野獣のお城に来るまでの説明という設定なので踊る場面よりマイムが主流。
なのでバレエというよりお芝居という色合いになったような気がする。それでもバレエなので踊る場面は当然あった。ベルが野獣のお城に運ばれる時のカラスのコールドなんかは嫌味のない揃いっぷりで、音を踏み外すようなダンサーは一人もいない。
カラスの親分?はこれまた日本人のファースト・ソリスト。
カラスなのでマスクをつけていて顔はよく判らない。黒い衣装なのに太腿の素晴らしい筋肉だけはやたらに目立った。筋肉に違わない跳躍だ。
舞台の印象は美しい以外で表現できない踊りだ。
カラスの登場、この辺りまできて、周りは爆睡組続出。
無理もない。客はバレエを観に来ている。
芝居を観にきたわけではない。音楽に馴染みもなく、照明も暗く、踊りの印象が薄いとなれば眠くなってしまう。言い訳しとくが作品はつまらなくない。
演出もよくできていて、節々にコミカルな場面も登場し、ストーリーにも抑揚が効いている。
シンデレラを思い出させるユニークな二人のお姉さんも登場したりする。ただ、シンデレラより上品なお姉さん達なので、眠気を吹っ飛ばすにはちょっと力不足かな?

2幕は1幕とはうって変わって、華麗な舞踏会の場面から。
野獣役のマッケイは着ぐるみ装着なので、力量の方がよくわからない。
ベル役の佐久間さんは何とも踊りが愛らしい。外国でプリンシバルまで登りつめる踊りとはこういうものかと感心してしまった。話を引っ張るワイルド・ガールのヴァッロもこれまた美しい。
2幕になって音楽も少し、抑揚が出てきて、気持ちもしゃんとなってきた。
舞台の暗さは相変わらずだが、音楽が少々盛り上がってきたので眠気はどこかにいってしまった。
2幕も当然、お笑い担当のお姉さん達が登場。なんでかよくわからないけど、突然、お祖母さんまで登場。
もちろんこのお祖母さんもお笑い担当だけど、このお祖母さんがまた、面白い。
ベルの父親役のモースとご夫婦ということだったが、息がぴったり!
話は佳境に入り、いよいよ魔法が解ける!のくだりだが、マイムの上手さ、指先まで行き届いた表現力で思わず、涙がぐんでしまった。
魔法が解けた瞬間、不気味な薄暗いお城に惜しげもない光。
この時の為に、光を抑えていたんだろうね。降り注ぐ天空からの光に見えて何とも印象的だった。
同時に、魔法が解けて、着ぐるみだった紳士・淑女が綺麗なお顔を出しての登場もなんとも感動的だった。

最後まで、印象に残った場面はお芝居をしているところという奇妙なバレエの感想になってしまった。
もう1演目コッペリアを観るので、それではっきりするよね。
今年は感想を星の数でも表してみる事にした。今日は、最初なので☆☆☆という事で。

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