デヴィット・ビントレーのアラジン
デヴィット・ビントリーのアラジン
11/16(土) 新国立劇場オペラパレス
新国立バレエ団
振付:デヴィット・ビントレー
音楽:カール:ディヴィス
アラジン:八幡顕光
プリンセス:小野絢子
魔術師マグリブ人:冨川祐樹
ランプの精 ジーン:中村 誠
アラジンの母:難波美保
サルタン:イルギス・ガリムールン
オニキスとパール:大和雅美 伊藤真央 寺田亜沙子
福田圭吾 泊陽平 陳秀介
ゴールドとシルバー:川村真樹 西川貴子
貝川鐵夫 市川透
サファイア:湯川麻美子
ルビー:寺島ひろみ マイレン・トレイバエフ
エメラルド:高橋有里 さいとう美帆 古川和則
ダイヤモンド:西山裕子
見てきました、アラジン![]()
新作には冒険がつきものですが、大変に、おもしろかったです![]()
さすがはビントレー!衣装といい、セットといい、踊りといい大変に丁寧なつくりで、照明の効果も最大限生かされ、大変に見ごたえのある大人も子供も楽しめる舞台でした。
集客できる良いレパートリーが加わった
ってところですかね。
行ってみて最初にびっくりしたのは上演時間の長さ。
休憩を含めて3時間とはまさに大作!おもしろくなかったらどうしよう?と思いましたが、そんな心配は無用で、テンポ良く終了しました。
多分、ストーリーは説明しなくても私ぐらいの年齢の人なら「アラビアンナイト 千夜一夜物語」、若い子なら、ディズニーの「アラジン」そのまんまだ。ストーリーだけでなく、キャラクターのイメージもディズニーの「アラジン」から抜け出たようだ。
1幕最初の場面は昔むかしのアラビアの市場。
何ともにぎやかで、海賊の奴隷市場のにぎやかさを思い出させる。
最初に言い訳しておきますが、私は物覚えが悪いです。でもって新国立バレエ団は1年に1回見るかどうかというバレエ団なので、ダンサーが誰なのか、はっきり識別できていません。なので、アラジンがいつ登場したのか全然、気がつきませんでした![]()
気がついたら、舞台上にいたという感じです。
アラジン役の八幡君は初見でしたが、人を圧倒的オーラでひきつけるタイプのダンサーではないようです。
最初の場面から、大勢の人たちが登場し、このバレエ団に一体、何人のダンサーがいるのか知りませんが、総出演?と思わせる人数でした。アラジンの友人と合わせて、最初から、休まず踊り続けるので、始まったばかりでこれは大変な体力勝負だなぁと余計なお世話にも先行きを心配してしまいました。
魔術師アグリブ人の冨川君は皮膚は緑色、被り物をかぶっているかのような派手なメイクでまさに怪しげな魔術師そのもの!
いやー、はまり役ですなぁ。というより、立派に王子を踊れる冨川君なのになんというもったいない使い方!主役のアラジンより、断然、目を引きます!!(ごめんね、アラジンさん)
市場から洞窟に向かうべき、砂漠への旅の場面に切り替わるのだが、砂漠が布で作られていて、絶世の美女の姿を月の中に登場させるというアイデア。
これはこの後、洞窟にたどり着いたときに布で出来た砂漠が後ろから引き抜き、あっという間に砂漠は消え去り、月が洞窟の入り口に変わるという見事な舞台転換。いや~、斬新!
続いての場面は財宝の洞窟。
洞窟の入り口が月として使われていた為、高い位置にあるので、そこから階段代わりの役割を果たしたのが、動物だか、恐竜かの骨。
又しても斬新な舞台転換に関心しきり。洞窟の中の鍾乳洞のような突起も照明を巧みに使い、大変に美しい。
ここで最大の反省は財宝の踊りをしっかり記憶できなかった事。
配役表で、ここに宝石類がたくさん登場するとわかっていたので、登場する宝石の名前と順番を覚えようとしたけど、ちょっと無理でした。
衣装はどれも、宝石のイメージをよく表現出来ていて、豪華絢爛、まさに、宝石!
印象的だったのはエメラルド。
パ・ド・トロワにしてもパ・ド・ドゥにしてもリフトが、ノンマイヤーばりに高度。
それを危なげもなく、踊りきり、いやはや、想像以上にレベルの高さに嬉しい誤算だ。
最後にアグリブ人に洞窟に閉じ込められ、ランプをこすって、ランプから、煙がもくもく、いよいよジーンの登場!ってところで、場面転換。ここでジーンに会えると思っていたのに、あら、残念。
アラジンの家というシーンは家というふうには見えなかった(家の庭あたりかなぁと思いました。)私は、が、母親役の立ち振る舞いがあまりにも若すぎて、母親には見えず、残念。いっそ、姉って設定にしてもよかったんじゃないかなぁ。でもって大きな箱の中からアラジンが生還。そしていよいよ、ジーンの登場。
ワイヤー吊りで煙とともに注に浮いていての登場はいかにもだけど、ミュージカルならともかく、バレエではありえないと思っていたので、ちょっとテンションが上がっちゃいました![]()
そして、1幕最後に、プリンセスが輿で運ばれて登場。
とにかく、このプリンセスがかわいい!先の砂漠のシーンでもかわいいと思ったが、見れば見るほど、可愛い!ここの行列も人数がケチってなく、いかにも王族って感じで、良いですね~![]()
ここから第2幕。
しかも、浴場。バレエの設定としてはちょっとありえないよね。
お風呂を覗いていたアラジンに魅せられるプリンセスっていうのも変な設定だが、浴場シーンとしてはちょっとおしゃれ?な演出でした。こういう設定だと、八幡クンは不自然に見えないんだよね。これが、王子キャラの人だと、えーっって引いてしまうところだけどね。
覗いたら罰せられるは、世の常で、2幕第2場は宮廷での裁判シーン。
ここでも魔術師マグリブ人の巧みな演技が光る。ここでのジーンの踊りは圧巻で、なんというか、これって、中村君のキャラなのかもしれないけど、なんとも品格のあるジーンで、しかも、半端ない、運動量。なんともステキ
先日の発表会ゲストでオーラが小粒みたいなコメントをしたと思うけど、前言撤回!
この役への思い入れの半端なさを思い知らされた感じです。
アラジンが貧乏青年からお金持ちの青年に変身するシーンも自然で、こういう場面転換の見事な手法や照明の使い方はバレエとしてはやっぱり珍しいと思います。お金持ちの青年に変身したアラジンをプリンセスの結婚相手にという皇帝のわかりやすさはいかにも御伽噺っぽいけど、セットや衣装、照明技術は本当に素晴らしい。しかもプリンセスの小野さんが本当に可愛い。容姿が可愛いだけでなく、なんとものびのびとした素直な手脚の動きで、嫌味がない。今回が初主役ということだが、大型新人登場!だよね。
アラジンとのパ・ド・ドゥもいい感じで、いい配役だと思う。プログラムにちょっと書いていたんだけど、アラジンって中国人なんだって。そのせいか、アラビアのどの国か特定できない設定になっていたし、結婚式のシーンでは中国の映像でお祝い事の時にお目にかかる龍や獅子も登場。この時の獅子の踊りを踊った福田君と泊君もなんとも軽やかなジャンプ力を披露してくれ、今後が楽しみ![]()
そしていよいよクライマックスの第3幕。
王宮の一室からランプともども、プリンセスが連れ去られてしまうシーンだけど、ここにも場面転換に工夫が満載。新しいご主人様になったマグリブ人の言うがままにプリンセスを連れ去るシーン、部屋から空に移るところは、人形なんだけど、これは4階から見たせいかもしれないけど、人形をスタンバイさせているスタッフの顔が丸見えで、ちょっと笑っちゃいました。バックが黒いのに顔はそのまんまだったので、顔だけが、くっきりはっきり浮き上がるように見えちゃってねぇ![]()
価格の良い席では見えなかったのかもしれませんね。
その後、マグリブ人の家にまで飛んでくシーンもやっぱり人形。
ご丁寧に、鳥まで飛んでて、「空ですよ!」をアピール。ここは唯一、セット的にショボかったかなぁ。さんざんスペクタルな照明効果や場面転換を見てるだけに、ちっちゃな人形を飛ばすだけっていうのはちょっと芸がないというか・・・・。
魔術師マグリブ人のハーレムに幽閉されて、悲嘆にくれるプリンセス・小野さんが何とも切なげで、又、可愛い。ここに助けに来るアラジンだが、ここにきて、ややカッコいいアラジンに見えてきた。ここでもマグリブ人の嫌らしいまでの存在感が炸裂。
冨川さん、ほんと、もっったいない。
でも、適役ですよね。でもってマグリブ人をやっつけて、いよいよ宮廷に帰るのに空飛ぶ絨毯の登場。さっき、ちっちゃな人形を飛ばすのを見たばかりだったので、今度も人形か?と思ったけど、今度は本当に絨毯が飛びました!
個人的には、もっと大きな絨毯が飛ぶのを想像してたんだけど、アラジンとプリンセスが乗ったらいっぱいの玄関マットのちょっと大きい目ぐらいの絨毯でした
それでも、ここでも効果的な照明力を発揮。
そして再び家。
アラジンだけが、立派な衣装になったのに母親役は元のままとちょっと不思議なところもあるけど、最後の最後まで、映像的な舞台作りになっていて、とっても楽しかったです。
全体的に秀逸の出来で、同じビントレーの作品の「美女と野獣」よりもっとバレエ的で、文句なしに楽しめました。 又、上演されたら、是非にも見に行きたいです。 今度は違うキャストがいいかなぁ
音楽も良かったですよ。
心に残るフレーズっていうのかなぁ。
ということで、今回は、文句なしにお楽しみ度が☆☆☆☆ってところですかね。
次の予定は、シュツットガルト・バレエ団の「眠れる森の美女」ですよ。
年末までは予定が立て込んでて、感想アップはこっそり、忘れた頃になると思います。
まだ、夏に観て、まだ書いてない感想が2本あるしね。一応、今後の予定は、シュツットガルトの「オネーギン」、ボリショイの「ドン・キホーテ」、「白鳥の湖」、「明るい小川」 、牧の「くるみ割り人形」、そして年内最後が、「クリスマス・チャリーティーガラ」です。
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